YUBAメソッド用語

発声機能解剖生理学

Functional Anatomical Physiology for Voicing 
  発声機能を効率的に使い,発話発声や歌唱発声の向上・改善を目的とするもので,発声を機能解剖学や生理学の視点から研究する学問である。発声に関して,どの神経支配がどの筋肉を収縮弛緩させ,関節を動かし発声運動が行われるのかを,理論的・実証的に分析し,体系化する。その根底には,発声を消化器系や呼吸器系の一部を利用した行為としてとらえるという考え方が大前提としてある(=ヒトには発声器官はない)。
弓場教授の造語

YUBA理論(発声制御理論)

The YUBA Theory ( Voice Control Theory )
 発声機能解剖生理学を基に,発声の機能を合理的にコントロールするために構築した理論である。①呼吸筋群,②内喉頭筋群,③調(構)音筋群を合理的に制御し,発話や歌唱能力の改善・向上を目的とする。
弓場教授の造語

YUBAメソッド

The YUBA Method
 発声機能解剖生理学,YUBA理論(発声制御理論)を基に構築した発声技法で,実践法を体系化したものである。ウラ声とオモテ声を分離・強化・融合し,音源生成の運動と調音運動をロスなく協調させ,効率よく発声・発音能力を向上させる。
弓場教授の造語

YUBAメソッド(はい)2 システム

The YUBA Method [Hi]2 System
 模範の”はい!”の後に真似ることで,歌唱能力を向上させる方法。認知運動により発声機能を合理的に制御する。CD・DVDにも使用されている。
弓場教授の造語

オモテ声

Natural Voice(英)
 声門が閉鎖状態で声帯筋が輪状甲状筋に対し,優勢に働いているときに発せられる声。
(voce di petto(伊)は利用しない)

ウラ声

Falsetto Voice(英)
 輪状甲状筋が声帯筋に対し,優勢に働いているときに発せられる声。(voce di testa(伊)は利用しない)

息漏れの有るウラ声

Breathy Falsetto(英),Pure Falsetto(英)
 輪状甲状筋が働き,声帯筋の働きが無く,声門が少し開き,息が漏れている状態で発せられるウラ声。

息漏れの無いウラ声

Non Breathy Falsetto(英),Coordinated Falsetto(英)
 声門が閉鎖状態で,声帯筋に対して輪状甲状筋が優勢に働いているときに発せられるウラ声。

混ぜ声

Blended Voice(英)( 従来のMixed Voice(英))
 息漏れの無いウラ声とオモテ声が融合したときの声。

フェインドヴォイス

Feigned Voice(英),Voce di Finte(伊)
 換声点ショックを消せる程にウラ声とオモテ声が混ざった状態の声で,両方の声区をなめらかに行き来できる声。

まねる

Imitate(英)
 同じテノールでも様々な声のテノール歌手がいるように,人それぞれ生まれながらに持っている声【声質】というのがあります。この【声質】は,声帯の長さ・骨格・共鳴腔等によって決定されます。
 YUBAメソッドにおける『声をまねる』というのは,インストラクター固有の【声質】をまねるということではなく,発声された声が「オモテ声」・「息漏れの有るウラ声」・「息漏れの無いウラ声」のどれなのか,また「オモテ声とウラ声がそれぞれ,どのくらい配分され混ぜられた声」なのかを聴き分けて,その混ざり具合をまねるということです。

換声点

Vocal Register Gap ( Trandition Point )
 オモテ声を徐々に高くしていくと,あるいは,ウラ声を徐々に低くしていくと途中で声がひっくり返る位置。オモテ声とウラ声が切り替わる位置。

換声点ショック

Vocal Register Shock
 換声点時,つまり声区が切り替わるときに起こる,身体に感じる,または,聴覚で感じる衝撃である。人によりこれが全く目立たない場合もある。
弓場教授の造語
▷音域・歌唱表現によって,ウラ声とオモテ声の配分を調整する(ウラ声傾向・オモテ声傾向)。
▷英語表現やイタリア語表現は時代によってニュアンスが変化していることを注意。
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